自由とは何か平和とは何か

 コロナ過の外出規制の中でも自粛という名のもとに自由が担保されている国。簡単なようで難しいことを行える日本人の気質を讃えたい。

 自由とは何か、辞書には総じて「他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえること」と書かれている。他者から干渉されず、自分を通すことができることが自由であることは間違いないが、その先、というか裏を考えたことはあるだろうか。

 「他者から拘束を受けない事」は「自分も他者を拘束しない事」。「自分の思うままにふるまうことができる」ならば「他者も思うままにふるまうことができる」ことになる。つまり「他者の自由を奪わない限りの中にこそ自分の自由がある」ということ。ゆえに、自粛・自重・遠慮・譲り合い・或いは一時期有名になってしまった忖度など、自らを律することが必要となる。

 自由をはきちがえるから独りよがりな誹謗中傷がおき、身勝手な殺人事件がおき、戦争がおき、それを抑えるための規制・罰則が作られ、拘束になり、そのたび自由が減っていく。

「自分がされて困ることは、人も困る」「自分が一歩引くことで、互いの自由度が広がる」このようにして、自由を自らの手で守ることができるのが日本の美徳とするところなのだろう。

 平和は自由の延長線上ある。戦争をしない状態だけを平和とは言わない。自由が担保された、不自由のない生活をおくれる社会を平和というのだとしたら、基本は一人一人の自由を自ら律しながら守ること、一番大切な人の笑顔を守ることから始めることはできないだろうか。