それぞれの利を生かした政策

 アベノマスクの配布が終わり半月以上、巷でマスク活用者を見ることは少ない。市販のマスクか手作りマスクをかけている。そそして夏、熱中症対策では必要以上に使用することなかれ、と。果たしてアベノマスクは必要だったのか?

 市民活動をする場合、行政・企業・民間が協働することがある。大事なのは三者の特性。行政は信用信頼、企業は資金力、民間は機動性。裏を返すと行政は平等が求められるゆえに機動性が低い。その点お墨付きの信用は薄いが、平等性が求められるわけではないので、ピンポイントで動くことができる。ただし資金がないので、企業の助けなどを必要とする。

 アベノマスクの全国一律配布が本当に必要だったかを検証するにあたり、この3者の役割分担に照らし合わせると、必ずしも国がやるべき政策だったか疑問になる。

 各世帯二枚に限定する。ということは1人暮らしも2枚、5人暮らしも2枚。大人も子供も同じ大きさ。これが行政の平等。これを各自治体や企業への指示や助成にして自由に作らせ、地域にあった配付にできたらどうだったか?

 現状でもわかるように自作マスクが出回るようになった。材料、創り方、資金の補助があれば、市民レベルでできることではなかったか。それよりも、その分の資金を使い個人ではできないワクチン開発や機器の導入といったところに投入すべきではなかったか。

 無駄遣いとは言わないが、国民の力を信じた動きに欠けた気がする。